とまるまでのはなし

私の時間がとまるまでの話

日記のキッカケ

 2018.2.6

今日から日記を書いてみようと思う。

 

私を知らない人には見られてもいいけど

私を知ってる人には少し見られたくない

日記なんてするような女ではないから。

すぐ飽きちゃう人間だし。

ちょっと恥ずかしいし。

 

今日から自分の出来事とかを日記にして

記録に残したりしようかなって思った。

出来るだけ毎日記録したいけど

私が毎日するわけないから

マイペースで

悲しかった事や思った事を綴るようにして

嬉しくて幸せなことは出来るだけいっぱい記録したい

 

日記を始めようと思ったのは

仕事の出来事から。

 

医療事務で働いて丸1年

いろんな事があったけど

忘れられないなって

思う出来事があった。

 

お年寄り夫婦で来院した

患者さんはおばあちゃん。

主人がこの病院に来た時に

とても良くして頂いたからと言う理由で来院。

そーいえばあのおじいちゃんみた事あるなぁ

なんて思いながら私はおばあちゃんの症状などを治療前に聞いてた。

とても具合が悪そうで

手を貸しながらの移動をして

先生の治療が始まった。

少しして

先生に明日も来て下さいね

と言われ治療が終わり

私が処方箋なとの説明をしておばあちゃんは

帰っていった。

治療が終わってからの笑顔は素敵だった。 

 

手を貸した時もありがとうと言われ
治療が終わってからもありがとうと言われ
とても感謝された。

 

そして次の日またあのおばあちゃんが来院。

昨日より元気そうで良かった。

今日は1人なのか

なんて思ってた。

 

しばらくして

待合室にいるおばあちゃんに

あとどれくらいかかりますか?

と聞かれた

 

私の病院は待ち時間が長い。患者さんには

平気で1時間、2時間待ってもらっている

これが私の病院の普通だ。

前回は患者さんが少なくておばあちゃんも

すぐ診察に入れたけど、その日はいつも通りの

待ち時間。

 

もう1時間ほど待ってもらってる

おばあちゃんに私は後30分ほどだと

思います。と伝えた。

 

おばあちゃんは病院の後に習い事に

行くつもりだったらしい。

あと30分かかるなら習い事の先生に

キャンセルの電話をさせてくださいと言われた

遠くまで行って電話をされてたけど

ごめんなさいね、すいません。

と大きな声で謝ってるおばあちゃんを見て

昨日待ち時間長いことかかる日もある

って伝えればよかったなぁと思った。

 

結局2時間程かかってお会計をした。

習い事いけなくて残念だったろうな

なんて考えてた。

 

それでもおばあちゃんはニコニコしてた

ありがとうとまた言われた。

   

 

その5時間後におばあちゃんは亡くなった。

 

原因はわからないけど娘さんがお家に帰るとおばあちゃんは亡くなってたらしい

 

しばらくしていろんな事を思い出した。

手を貸しただけであんなに感謝されたな

申し訳なさそうに待ち時間を

聞きにきてくれたな

お会計の時もニコニコしてたな

最後に習い事行けなかったんだな

病院が最後だったのかな

一人で2時間ずっと待ってくれてたな

 

カルテを見て次は待ち時間がないように

予約して帰られてたみたいだった。

 

最後に挨拶したのは私なのかなと思って

ちゃんと挨拶できてたか心配になった。

 

私の中で「もし」が生まれてきた

もし病院にこなかったら

もし病院が空いてたら

もし大きな病院に行ってたら

もし習い事に行けてたら

もし家族と来てたら

 

そんな事を考えると涙が出た。

まだ2回しかあった事ないおばあちゃんだけど

とっても素敵なおばあちゃんだった。

可愛らしいおばあちゃんだった。

 

私は祖母や祖父が産まれた時からいないから

あんなおばあちゃんならいいな

なんておもった。

 

そしてやっぱり、知ってたけど。 

改めて感じた。

 

人はいつ死ぬかわからない。

 

 

母が、妹が、友達が、彼が

そして私が

いつどこでこの世からいなくなるなんて

だれもわからない。

 

そう思うと怖くてたまらなくなった。

突然私の大事な誰がいなくなるのが。

いつか来るそれが凄く恐ろしくなった。

 

だけどだんだん私は今が愛おしく感じてきた。

今は私の好きな人が息をしてる。

それはとっても素敵な事。幸せだ。

 

この幸せを、いつか訪れる死まで

綴って記録に残したいと思った。

 

いつか大切な人が死んだ時

大切な人と一緒に居た時を思い出したい

 

いつか私が死んだ時

家族や大切な人にみてもらいたい。 

私が何を考えて何を愛していたか。  

 

 

だから私はこれから少しづつ私なりに

日記を書こうと思う。